プレゼントしたい本
今週のお題「プレゼントしたい本」
久しぶりに開いて今週のお題を押せばこの話題だったから書いてみようと思う.
プレゼントしたい本…他人にプレゼントをすることなんて早々ないし,プレゼントに値する本は必ずしも面白い,読書する価値のある本とは異なるモノになると思う.
なので列挙するのは「プレゼントしたい本」というよりも「オススメしたい本」に近い.
神は死んだ(ロン カーリー ジュニア)
スーダンで「神」がジャンジャウィードに殺された後の世界を描いた短編集.
神が死んだことが報道され,人々は苦しみ,新しい信仰を始め,それでも世界は回る.世界は大きく変わってしまったようで,実は何も変わらない.
世界はちょっとやそっとじゃ変化しないのかもしれない.僕はクリスチャンじゃないからキリスト教的世界観はあまり持ち合わせていないが,面白く読めた.各編の冒頭に引用された聖書の引用が秀逸.
最近読んだ中で最も面白かった作品.
夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
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今度はlightな感じで.森見登美彦の作品.僕は大学6年間を京都市左京区で過ごしたから,作品に出てくる殆どの場所の情景を思い浮かぶことができた.そのせいですごく思い入れのある小説.
僕も黒髪の乙女を求め自転車で京都を彷徨った.残念ながら僕に振り向いてくれる黒髪の乙女は見つからなかった.
森見登美彦のテンポがすごく好き.京都に関係なくても京都がいいところだと確実に思える作品ではないだろうか?
勿論その他の森見登美彦作品も大好きなので,読んでみて欲しい.
ペスト(カミュ)
カミュは僕が最も好きな作家の一人.
特にペストが好き.
ペストが流行し,外部との交流が遮断されてしまったアルジェリアの街で閉じ込められた人々が藻掻き生きていく姿を淡々と描いている.カミュらしい「不条理」をテーマにした作品だ.
その中に登場するアルジェリアに滞在していたがペストの流行で街から正規ルートでは出られなくなってしまった新聞記者のランベールの台詞に
「自分一人だけ幸福になるということは恥ずべきことかもしれません.」
というものがある.僕はとても利己的な人間だが*1,この台詞を肝に銘じるようにしている.自分の中の座右の銘といってもいいのかもしれない.
何はともあれ,カミュの作品は読むと自分の主義思想について何かしら考えるきっかけになる.
とりあえず3つにしておいた.
*1:恐らくそうだし,自分ではそう思っている